天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

「ギィヤァああぁアァァァァァッッッ!」

先頭を走っていた二人が突然奇声を上げる。

その場に跪き、耳を塞ぎ、頭を抱え、何かに脅えるように泣き叫び、鼻水を、涎を垂らし、あまつさえ失禁。

アモルと玲菜は、その横を悠然と追い抜いていく。

「…何かやったな?アモル」

少したしなめるように言う玲菜。

「あら、何もやってないわ」

アモルは歌うように言う。

「アタシはちょっと『影口』叩いただけよ?人間だって見てない所で言うでしょ?」

皮肉混じりに彼女は嗤う。

「ただアタシは魔物だから…『影口』もちょっぴり刺激的だったかもね」