天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

何の事はない。

玲菜は普段左目を眼帯で覆う事で、わざと視界を狭めていた。

彼女の運動能力ならば、片目の視界だけで大抵の事はこなせる。

だが両目の視界が必要な時だけ、彼女は眼帯をずらす。

そうする事で相手が素早い動きをとろうとも、優れた動体視力と広い視界で、確実に見切れるようになるのだ。

その後も何度も体当たりを仕掛けてくる白組ペアだが、玲菜の指示により二度と食らう事はなかった。

「もうお前らの汚い戦術に後れは取らんよ」

小さく呟き。

「一気に先頭をとるぞ、アモル!」

二人は白組ペアの妨害を振り切った!