天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ

呟いた後の行動は迅速だった。

「行くわよレーさん」

冷徹な声で言うアモルに。

「ああ」

同じくらい冷徹な声で返す玲菜。

二人はスタートダッシュ以上の速度で、猛烈な追い上げを見せる!

(……)

アモルは共に走る玲菜の横顔を、密かに見つめていた。

魔物の表情を垣間見せたアモル。

しかし玲菜はそれに怯える事も臆する事もなかった。

寧ろアモルと同様に、白組の卑怯なやり口に怒りを覚え、同様の手段で報復するくらいの気迫を見せる。

(ただの娘じゃないわね…覚悟、根性、胆力、実行力、どれをとっても下手な男より優れてるわ)

アモルの口元に、笑みが浮かんだ。

(人間の癖に、アタシのパートナーが務まるなんて大したもんだわ)