恩に報いるのは正しい事。

しかし本当にそれだけが正義か?

この体育祭でも、圧倒的な不利な状況下で赤組は戦っている。

あまつさえ幾つかの勝利を収めてきた。

諦めない、屈しない。

誇らしい姿だ。

そんな彼らに対して、恩義ある実行委員長は尚も姑息な手段を用いる。

…もういいだろう。

玲菜は恩義は果たした筈だ。

これ以上恩義を果たすとすれば、それは性根の曲がった実行委員長の頬を叩き、『それは間違っている』と目覚めさせる事なのではないか。