玲菜は恩義には必ず報いる。

例え汚い裏仕事とて、恩を返す為には黙って従った。

それが自分の信念に反する行為としても、自分を殺して従い続けてきたのだ。

しかし今年の夏休み、彼女の考えを揺るがす事件が起きる。

『校舎半壊事件』

あの完璧超人と称される生徒指導を向こうに回して、数人の生徒が大立ち回りを演じたという。

下手をすれば退学処分にされる危険性もある。

にもかかわらず、己の手を汚してまで仲間を、クラスメイトを助けようとした生徒がいたというのだ。

玲菜と同じ、曲がった事を嫌う男子生徒は、いわゆる不良でありながら生徒指導を相手取って仲間の為に真っ向勝負を挑んだという。

そしてあの完璧超人を折れさせたというのだ。

己の信念を貫き通したのだ。