そんな風に三人が話していると。

「何を廊下で騒いでらっしゃるのかしら?全くこれだから庶民は…」

またおかしなのがやってきた。

背が小さく幼児体型で、いわゆる金髪美女。

傍らにはサングラスをかけた長身の男子生徒が立っている。

「ゴスロリと…獣連れと…野蛮人…えっと…名前は何だったかしら?二宮?」

「ハッ」

金髪美女が言うと、二宮と呼ばれたグラサン男子生徒は無表情のまま、きびきびとした動きで懐から手帳を取り出す。

「右から3年のアモルファス・シャドウ、1年の遡雫、同じく1年のスペシャルバカ」

「スペ…まぁまぁまぁ…不憫な名前をつけられたのね…憐れな貧民…」

ヨヨヨと泣き崩れる金髪美女。

「何で俺だけ不名誉な渾名だこの野郎!丹下 龍太郎だっての!そういうてめぇは何者だ女!」

「んまぁ…下品な物言いですこと…」

金髪美女は、手にした扇子で口元を隠す。

「貴方達庶民に名乗る必要はないですわ。『お嬢様』と…傅いて跪いて恭しく頭を垂れなさい、オーッホッホッホッホッ!」