不良くんと鈍感ちゃん


それから、

「飛都!!」

海那が着替え終わったらしく、海那の部屋に行った。

中に入ると、昔と大して変わっていなかった。


「変わってねぇな‥」

「別にいいじゃん?」

「別にいいけど‥」

「ならいいじゃん!!」

「‥はいはい」


普通にたわいない会話をしていた‥


すると、急に海那が口を開いた。

「‥飛都、ありがとうね?」

「‥!」

「あたし‥飛都がいなかったら、今生きてないと思う‥」

「・・・」

「あの時、あたしの何もかもが終わった気がしたの‥。『あぁ。もう駄目だ』って‥」


海那から初めて聞く真相に俺は耳を傾けた‥


「‥それから人が信じられなくなって‥もうどうでもよくなっちゃったの‥。生きる意味もわからなかった‥。」

相当、辛かったんだと思う‥

海那の言葉、一つ一つに重みがあって‥海那の辛さが伝わってくる‥