高級ソファと思われるフワフワのソファに座って、俺はそっぽを向く
その向かいで俺を睨みつける風早さん
「知らないわけないだろ。俺も君を親元に返さなきゃ行けないんだ」
「あっそう、でも諦めたら?」
俺に親なんて、いないようなもんだし
今、どこにいるのか生きているのか分からない人を親と呼べるのか?
「俺だって大人だから、子供は守るのが当たり前だろ」
あっ、風早さんは優しいんだ
「風早さん、俺一人で帰れるから。んじゃ、さようなら」
俺は立ち上がり、扉に向かって歩き出した
お金を稼ぎにきたのに、こんなところで油売ってられないっての
「いい加減にしろよ、少年」
ドスのきいた声がしたと同時に壁に押さえ付けられた


