この車に乗ってしまったら、俺はもう普通の生活には戻れないかもしれない
何故かなんて分からないが、漠然とした不安が俺を襲う
しかし、がたいのいい男
しかも大人で俺は学校に行っていれば高校生
勝ち目なんか火を見るより明かだ
もう闇に繋がるドアは、すぐそこだ
ちょうど諦めかけたその時だ
「久しぶりだね、種田さん。最近あなたの顔を見なくなったからどうしてるのかと思えば、いたいけな少年を売り物にしようなんて・・・・・・・・堕ちたものだな」
凛とした声が路地裏に響く。
一体、今度は誰なんだよ!
声のした方を見るとそこにいたのは、一般庶民の俺でも分かるほど上流階級の人間だった
しかも、素晴らしいほどイカした男前で迫力がやばいほどある男だった
こういう迫力って、貫禄って言うのかな??
馬鹿な俺は、自分が置かれている状況を忘れて呑気にそんなことを考えていた


