軽いキスだったけど・・・



でも、この間の一夜の情事が思い出す発火剤には十分だった。
濃密な甘い夜の記憶が私の脳裏に鮮明に浮かんで来る。



「…濃厚なキスが欲しかったか?千紘」



「・・・なっ!!?」



一瞬見せた…名残惜しそうな私の表情を留維は見逃さなかった。



私は留維の胸板を突いて、身体を慌てて離す。



そして、ゴシゴシの手の甲で留維の唇を感触を拭い去った。




「冗談は止めて下さい…」



「・・・そんなに嫌がらなくても…いいだろ?」



全く反省の色がない留維。