奏太は俺が心から信頼できた初めての親友。
その親友の作品を自分の作品として世に出すなんて俺には出来なかった。



俺は激しく抵抗。



奏太は俺を必死で説得した。


奏太の家には死んだ親父の残した借金があった。
その借金の肩代わりを俺の親父がしたらしい。



「頼む!!留維」



奏太は俺に頭を下げた。


「お前の名前で世に出した方が…この服だって…ハクが付く…。お前は『クロノス』の御曹司だから」



「本当にそれでいいのか??デザイナーとしてデビュー出来るだぞ!!」



俺たちは夜明けまで互いが納得出来る結論を導き出そうと話し合った。