アンバランス~不実な俺様部長の甘い誘惑~

「奥さんに悪いと思わないの?」



「…今夜は実家に帰ってるから大丈夫だ…」



「・・・」




奥さんに全く罪悪感なく、サラッと流す留維。



「それにまだ…俺は中国に出張中だと思ってるさ」



「私はあんたとなんて…」



留維は短くなった煙草を足元に落として、靴の踵で揉み消してベンチを立ち上がった。



去ろうと踵を返した私の右腕を掴んだ。



「離して…」



「待てよ…千紘」