アンバランス~不実な俺様部長の甘い誘惑~

「留奈は??」



「部屋で宿題をされてます」


「そうか・・・」


私は田中さんに案内されて、屋敷の中に入る。


最低限度の明かりだけしか点ってない照明。


12年前、私がお邪魔した時はお父さんの世界中から集めた美術コレクションで彩られたエントランスだったけど。


今は何もなく、寂しい空間が広がるだけ。




埃の被った鎧騎士だけは同じ場所に置かれていた。



「…金になるモノはすべて売り払った」


「そうなんだ・・・」