留維と同僚たちの溝を深めるような噂が部署を駆け巡る。


「安西は知ってたのか??藤ヶ谷部長が元は『クロノス』の御曹司だったってコト??」


「え、あ・・・」


私の真ん前に座る1年後輩の家田君が問いかけて来る。
周囲で仕事をする皆も興味なさそうな振りして仕事を続けるけど…
視線を感じる・・・



「どうりで・・・偉そうな感じしてたよ~。御曹司じゃあ~仕方ないよね」


家田君の何気なし呟く。


その家田君の言動に私はキレた!!



「留維の何が分かるのよ!!…留維だって色々あって・・・」



多くは私にも語らないけど…人知れず苦労して来たコトは理解していた。