「…オモシロイ。これから覚悟しとけよ…美紅。じゃあまたな。」
そう言って、ソイツは妖艶に笑うと、颯爽として校舎の中へと消えて行った。
………。
意味不明な言葉を残して去って行った彼に、唖然として何も言えなかった……。
…な、何だったんだ?!
てか、‘また’って何!?‘また,って!!!
また会う気……?
……ない、ない。そんな都合良く会えるかっての!!
…だからダイジョーブさ〜…。
…とか言って。……表向きは冷静な振りをしているけれど、内心ではそうとう焦る私。
…ホント、何だったんだろう……。
でも、考えたって何も始まらない。
…ま、私も帰るか。
………んっ?
…………待てよ…
ふと校庭に目を向ければ、満開の桜が咲き誇っている。
……………あああーー!!
忘れてたー!!!
授業っっ!!
ヤバい。
実にヤバい。
…また説教だ………。
きっと今の私の顔は、泣く子も黙る程に恐ろしいだろう…。
…よしっ。直ぐさま帰ろう。
中庭を走り抜け、鬼の如くお怒りになれているであろう鬼人石田が、授業を行っているはずの理科室へ向かった…−−−
……只、中庭を走っていた時、芝生の上に何かの部屋のカギを見つけた。誰の物か分からないけれど、カギが何かを伝えているようで……思わず拾ってしまった。
−−−…そして、私が彼の正体を知るまでに時間はかからなかった……。−−−−−
