私の通ってる学園には二人の王子がいる。



天上空(てんじょう そら)くんと、佐々木彗(ささき すい)くんだ。



空くんには、学園の姫と呼ばれる彼女、津田小春(つだ こはる)さんがいるため、どちらが人気者かというと、たぶん彗くんだろう。




「優芽(ゆめ)!王子来たよ!」




「本当!?」




私はそんな王子二人と同じクラスという幸運な人間の一人。




だけど私の王子様はただ一人・・・。




彗くんだけ。




あれは一か月前------***



寝坊しちゃった私はいつもよりも遅い電車に乗っていた。




すごくガラガラ・・・・。




女子なんて私一人だよ・・・。




それにさっきから、あそこのヤンキーたちに見られてるし・・・。




早く着かないかな・・・。




「ねぇねぇ。一人?学校なんてサボって俺らと遊ばない?」




オーマイガー。