「おめでとう、真、砂雪ちゃん」
「おう」
「ありがとうございます」
小さく微笑みながら差し出されたグラスに、コツンと手にしたグラスを当てた。
注がれたシャンパンが揺れる。
「いや〜、俺は分かってたよ。お前たちは夫婦になるだろうってな」
少しお酒が入っているせいか、ほんのりと頬をピンク色に染めている。
「そうそう。見てて恥ずかしいくらいに真が砂雪ちゃんに惚れ込んでたし」
「っぶ!」
その言葉に真さんは口に含んでいたシャンパンを吹き出した。
「うわ!汚ねぇな!」
ギャー!と真さんの前に立っていた友達がスーツを掃う。
その行動に驚いていた私はハッとして真っ白のハンカチを差し出した。

