冬も終わりに近づき 私、春野柚はもうすぐ高校3年になる。 単身赴任の父と離れて暮らし始めて一年。 ようやく一人暮らしにも慣れて来たところだ。 私には母親はいない。 それでも 私をここまで育ててくれた上に 父の赴任先に付いていくことを拒否し、一人暮らしをしたいと言った私の我が儘を 呆れながらも聞いてくれる優しい父がいる。 私は普通の女子高生と変わらぬ日常を過ごしていた。 あなたと出会うまでは……。