「分かった。でも、これだけは言わせてくれ。」 そう言って竜は掴んでいた腕を離して、優しく私を抱き締めた。 「好きだ、あかり。いや…好きなんていう言葉じゃないな。愛してる。」 『竜…。』 竜のこの言葉を聞いた瞬間、堪えていた涙が私の頬を伝った。 『私も…私も竜を愛してるよ。竜…。』 そして、私達は最後のキスをした。 『じゃあ、もう行くね。』 「あぁ。」 そう言って私は階段をかけ降りた。