中学2年の夏だった。
初めて吹奏楽のコンクールに
出場させてもらえることになった私。
練習ではいつもガミガミうるさくて、
小さなことですぐに怒るし
校則だって、吹奏楽部の子だけ
やたらと厳しく守らされたり…
とにかく怖~い先生でしかないと
思っていた。
だけど、初めてコンクールのステージに立って
先生の素晴らしさに気付くことができたんだ。
キラキラとした笑顔
指揮棒を持った白く美しい右手。
曲を吹いていながら、
見とれてしまうほどだった。
こんなにも、楽しいと思ったのは初めてだった。
こんなにも、
人を好きになったのは
初めてだった。