黒曜石の瞳が目の前でゆっくり閉じられた。

重なるくちびるが、
重なった吐息が徐々に深みを増す。


立っていられなくて手首を縫い止められたままズルズルと下がる。



「おっと」

力の抜けたわたしを奏さんは軽々と抱え直した。



「……カレーより、りおが食いたい」


「え?」


返事ができないでいると。


「…おまえが嫉妬してくれたのが嬉しい」



ひょいとお姫様抱っこしてキッチンを出た。

奏さんが突き進むのはふたりの寝室だ。



「ダメ…」

「可愛いこと言ったおまえが悪い」



ベッドに下ろすと器用にスルスルとわたしの服を脱がせていく。



「ダメ、だよ。…ご飯が」

「後でいい」

「…でも」

「黙れ」



熱いキスをされて同時に奏さんの指にも反応してしまう。