「…奏さん、あ、ありがとう」 「………」 背中を向けたその横顔は明らかに怒ってる。 「…奏さん、ごめんなさい。ありがとう」 テーブルに向かって歩いていく奏さんの背中にお礼を言った。 「…だから、ひとりにさせとくのは不安なんだ」 「え?」 「…誰かがいつもおまえを見てる」 「なに?」 「いや、何でもない。 変なヤツがいたなって思ったらすぐに逃げてこい。いいな」 奏さんが濡れた髪を撫でてくれた。 もう怒っていた表情は消えていた。 「ありがとう奏さん」