「ちっ、成田め、余計なことばっか言いやがって」

苦虫を噛み潰したような表情になり、後はわたしが、「絶対行く!」って、頑張るものだから奏さんは黙って無視を決め込んでしまった。



「わたし、今から水着買ってくるから」

「………」

「じゃあ、行ってくるね」

「………」



目もあげなかった奏さんが大きくため息をついた。



「ひとりで出歩くのは危ねえだろ。俺が運転してく」



立ち上がった奏さんに、わかってもらえたって嬉しくなる。


「ありがとう奏さん」

「…仕方ねえからな」

「転ばないように気をつけるから」

「あたりまえだ」



そっけなくしてるけど、奏さんはわたしに甘い。
ダメだ!って言っても、最終的にはわたしの話を聞いてくれる。

買い物行くにも護衛してくれる。