「冗談?」

本気の告白に、まさかの返事。

告白を上手くかわそうとしているわけでなく、純粋に信じられないといった表情だった。

「本気だよ。冗談じゃない。」

鈍感そうな由依に、どうすれば伝わるのだろうか…。


「あ、もしかして、花崎は俺のこと嫌い?」

俺のことを全く恋愛対象として見られないからの発言かとも思った。

「そ、そんなことない!」

慌てて否定した由依の態度に、少し期待しても良いかもしれないと思った。


「じゃ、試しに3週間付き合って。」

まずはもっとお互いを知っていければ、そう思った。


せめてここは拒否しないで欲しい、俺にチャンスを与えて欲しい…

そう思って、由依ににっこり笑いかけ手を差し出した。


「…は、はい。」

耳まで真っ赤に染めた由依は恥ずかしそうに俺の手をとってくれた。


手が触れたその瞬間―

2度とこの手を離したくないと思った。