由依が棚に頭をぶつけたり、プリントを撒き散らすハプニングがあったものの、昼休み内に準備は終わった。
「「春くん!」」
化学室を出て由依と2人きりで教室に戻る道を歩いてた時、前から松田先輩とその友達4人が歩いてきた。
よくは知らないけど稲田の話によると、松田先輩は"畑中春樹ファンクラブ"の会長をしているらしい。
俺としてはそのファンクラブの存在自体を怪しんでいるのだけれど…。
「その子は?」
松田先輩はあまり面白くなさそうな顔をして由依を睨んでいた。
この時だけじゃない。
俺が1人の女の子と話していると、決まってこの視線を投げかけてきた。
「クラスメイトです。」
俺の中ではもっと仲良くなりたいと思う気持ちがあるのに、そう言ってしまうことで俺から距離を作ってしまったのではないかと思った。
ただこの時は、由依が先輩に絡まれないようにすることしか考えられなかったんだ。
「あの、私教室に戻ってるね。」
由依は俺を見ずに早口でそう言うと、小走りで行ってしまった。
この時の俺の発言を由依が気にしていたなんて、その時の俺には思いもよらなかった。
「「春くん!」」
化学室を出て由依と2人きりで教室に戻る道を歩いてた時、前から松田先輩とその友達4人が歩いてきた。
よくは知らないけど稲田の話によると、松田先輩は"畑中春樹ファンクラブ"の会長をしているらしい。
俺としてはそのファンクラブの存在自体を怪しんでいるのだけれど…。
「その子は?」
松田先輩はあまり面白くなさそうな顔をして由依を睨んでいた。
この時だけじゃない。
俺が1人の女の子と話していると、決まってこの視線を投げかけてきた。
「クラスメイトです。」
俺の中ではもっと仲良くなりたいと思う気持ちがあるのに、そう言ってしまうことで俺から距離を作ってしまったのではないかと思った。
ただこの時は、由依が先輩に絡まれないようにすることしか考えられなかったんだ。
「あの、私教室に戻ってるね。」
由依は俺を見ずに早口でそう言うと、小走りで行ってしまった。
この時の俺の発言を由依が気にしていたなんて、その時の俺には思いもよらなかった。