佐藤の体温は心地よく自然と俺を落ち着かせた。

何故か、もう少し佐藤の体温を感じたくて佐藤の背中に回していた手をより強くする。

と、佐藤は突然、俺の背中に回していた腕を離した。


佐藤の顔を驚きながら見ると申し訳なさそうな顔をしていた。

「佐藤って本当、面白いなっ」

とからかうと佐藤は顔を下に向けたまま目線だけ上にあげて俺を見た。

『…すいません』

俺の言葉を聞き佐藤は何故か謝る。

俺が不思議そうに見つめれば再び佐藤は口を開いた。

『ずっと前からハル君が結衣ちゃんのこと好きなの分かってました…』