「あ、あのさ…。少し前に陸に相談したことあっただろ?あれ、もしもじゃなくて本当のことつーか…」
そう思い切って言うと陸は意地悪に笑い、
「何のことか分からない」
と言う。
「そっか。あ、俺、保健室で休むから先生に言っといて」
と頼むと陸はめんどくさそうな顔をして、
「了解」
とひらひらと手を振り歩きだした。
…陸の目は苦手だ。
俺の全てを見透かすような瞳。
クールな顔して優しくて。
正直、心友なのに時々、陸が考えてることが分からない。
だけど陸が好きだ。
ガラッ、とドアを開けるといつもいる保健の先生は居なくやけに静かだった。