初めてのデートの日、俺は深帆を抱き締めながら誓ったんだ。
絶対、深帆を大切にする
深帆を守る
って。
絶対、守りたいものが出来たんだ。
深帆と出会ってから薄れていく結衣への気持ちに対して切なくなるけど、これで良いんだ。
あんな初恋なんて早く忘れてしまいたい。
そして、いつか本当に三人で心から笑い合いたいんだ。
『おはよ!』
いきなりかけられた声に肩をビクつかせると聞き慣れた笑い声。
声の方を見ると案の定、結衣だった。
「お前さー、いきなり声かけるなよ」
と心臓の鼓動を感じながら言うと、
『えー、じゃあ今から貴方に話しかけるよって言うの?可笑しー』
と茶化されてしまった。
「…違うけど」
と言い上履きを履き歩き始めた。
『でしょー』
と言いながら隣を歩く結衣を俺は初めて鬱陶しく感じた。
そんなことを思う自分が嫌だった。