***


「葉月ー、帰るよ」


「………」


「…葉月?」


「…っえ!?」




突然耳元で瞬の声がして、
びっくりしてあたしは顔を上げた。

…っち、近い!!



顔を上げた瞬間の、瞬との距離は数センチ。
あたしは思わず後ずさりしてしまった。


グラッ…


…あれ?




「…ちょ…っ葉月!!」




傾いたあたしの身体は、
瞬から腕を掴まれて、そのまま瞬の腕の中に引き寄せられた。

瞬から抱きしめられる形になって、あたしの身体はすっぽりと瞬の腕の中に納まった。




「…あっぶねー…
葉月、大丈夫か?」




抱きしめられたまま、
瞬に耳元でそう言われて。

あたしの身体はビクッとなった。




「…葉月?」