う、うそお…
全っ然分かんない。

とにかくノートを開いて見るも、いつも書いていないので当然真っ白。




『おいどうした。早く答えろ』




先生は急かすようにそう言ってくるし…

その時。


ガサッと音を立てて、あたしの机の上にグシャグシャに丸めた紙が飛んで来た。
とりあえず、それを広げてみる。


紙には、“答え -5”とだけ書いてあった。




「マ…マイナス、5…?」


『ん?良し。座っていいぞ』




席についたあたしは、チラッと後ろを振り向いた。

この紙を投げたのは、瞬。


あたしが見た時、瞬がちょうど顔を上げてばっちりと目が合った。


“ありがとう”


口パクでそう言うと、瞬はあたしを見てニコッと笑った。
そんな笑顔に、急にドキッとする。