う、うそお…
全っ然分かんない。
とにかくノートを開いて見るも、いつも書いていないので当然真っ白。
『おいどうした。早く答えろ』
先生は急かすようにそう言ってくるし…
その時。
ガサッと音を立てて、あたしの机の上にグシャグシャに丸めた紙が飛んで来た。
とりあえず、それを広げてみる。
紙には、“答え -5”とだけ書いてあった。
「マ…マイナス、5…?」
『ん?良し。座っていいぞ』
席についたあたしは、チラッと後ろを振り向いた。
この紙を投げたのは、瞬。
あたしが見た時、瞬がちょうど顔を上げてばっちりと目が合った。
“ありがとう”
口パクでそう言うと、瞬はあたしを見てニコッと笑った。
そんな笑顔に、急にドキッとする。

![[新連載]君への想い、僕らの距離。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre1.png)