そう考え始めると、だんだん頭の中がモヤモヤしてきて…
授業が始まったにも関わらず、
あたしは何もせずに、ただ真っ白なノートとにらめっこしながら考え込んでいた。
…分かんないよ。
瞬の気持ちなんて、全然分かんない。
と言うか、あたしのあの返事は、付き合うってことに同意した返事になるの?
あたし、そんなつもりで『うん』って言ったわけじゃ…なかったんだけどなあ…
『……し!小西葉月!!』
「はっ…はいっ!!?」
突然大きな声で名前を呼ばれ、驚いたあたし勢いよく椅子から立ち上がった。
あたしの名前を呼んだ数学の先生は、呆れたようにあたしを見ている。
『全く…何度呼べば気付くんだ!?
授業中にぼーっとしてるなんて…
じゃあお前!
問5を答えろ!!』
そう言って、先生はもう一度あたしを見た。

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