「おいしい?」 あの時とまた…同じことを言ってくれたらいいのに。 また、照れながら、下を向きながら… 言ってくれるかな。 「さっきも似たような事、聞かなかった?」 「そうだっけ?」 やっぱり、言ってくれるわけねーか。 そりゃそうだよな。 何年経ってんだって話だし、 相手が俺じゃ――…… 「まぁ、おいしい…」 少し、下を向きながら言った夢。 照れてるかなんて、今の俺には確認できない。 だけど、 胸がざわついた気がした。 すごく、 揺らされた。