「あ、…ハイ…。麻衣、先教室戻ってて」 「はいはーい。今日は夢目当てのお客多いねェ」 「もう!一言うるさい」 なんだろ? 私、 新里君と一回も喋ったこと無いのに…。 あ、挨拶くらいはあるかな? ん?あるっけ…? そんな曖昧な記憶のまま、 私は新里君に連れられて中庭へ。 うわ… ベンチなんかに男の子と二人っきりで座ってるよ、私。 高校生みたいっ!! …現役高校生だけど。 「あ、あのさ…」 恥ずかしそうに 重たい口を、新里君は開いた。