「夢…やめろよ」 天野君は力なくそう言って、 自分の頭を私の肩にポンッと乗せてきた。 「…え?」 やめろ…? 「俺をあんま困らせないで」 天野君…どうしちゃったの? 全然違う。 私が大嫌いだった時の天野君とは、別人だ。 軽い口調で、 馴れ馴れしく話かけてくる人とは違う。 力なくて、 どこか自信を無くしてる…。 「私…天野君を困らせてた?」 「……うん」 「…ごめんね。いつ?」 私は理解できた。 これが本当の天野君だということに。