「藤原さん凄いじゃん!飲み込み良すぎー」
「そんなことないよ!新里くんの教え方が上手いから、ありがと!」
勉強を始めてからざっと二時間が経った。
思ったよりも時間は早く過ぎ、そして苦手だった英語が理解できるまでになった。
凄いよ新里くん!
「新里くん、学校の先生になったらいいのに!」
「えー?」
「すごく教え方うまいし、優しいしっ」
新里くんみたいな人が先生だったら、勉強も苦じゃないだろうなぁ。
「そ、そうかな…」
新里くんの耳が一気に赤くなった。
わかりやすい、と心の中で笑ってしまう。
「でも藤原さんだからだよ」
「え?」
「藤原さんだから、分かりやすく説明しようと頑張れるし、優しくしちゃうんだ」
「……」
…え?
それって…。
返事を返せず唖然としてると、
「ちょっとちょっとー!ストップ!次はなに?イチャつき?ここ図書館なんですけどー」
麻衣が助け船を出してくれた。
「イチャつきって…。別にそんなつもりないし!ね、藤原さん?」
「ほら!そーいうとこだよ新里!」
「えー」
そっか。
私、本当にバカだ。
新里くんは私の事が好きなんだよね?
なのにあんな事いって…。
私は何気なく言ったけど、新里くんの反応とか、周りから見たら…。
そう考えると勝手に目が、天野くんを見ていた。

