「あ、えっと…」
突然の事で戸惑っていると
「藤原さん、今理解しようとしてた所なんだ。もうちょっと俺が教える」
そう言ったのは新里くんだった。
「ね、藤原さん?」
わ、私!?
「…あ、あ、うん…」
自分がどうしたいのかわからなかった。
「………そうだよな」
ガタンと音をたて、天野くんは元の席へ戻ってしまった。
「ちょ、ちょっとー!雰囲気悪すぎっ。皆あたしに教えたくないって?」
場をなごませようと冗談を言ってくれる麻衣にでさえ、
苦笑いしかできなかった。
「藤原さん、続きしよ?」
「あー、うん!よらしくねっ」
ああ、バカだ。
今になって理解し、寂しくなった。

