私の最低な元カレ



―天野一弥side―


おいおいおい。


「はぁ~!?んもうぜんっぜん分かんない!」

「……」


「ねえ天野ー、どういう事?」



井戸に勉強を教えてるけど、

それどころじゃねぇ。



ちょっとおい、健。


それはないだろ。近すぎだろ。



「おーい天野?聞いてる?」


「……お、わりぃ」


「で?なんでⅩ=3になるの?」


「あーそれは―…」



やばい。

集中できない。


どうしても夢たちが気になってしまう。




「あ、わかった!凄いね新里君っ!」


「いやいや、そんな事ないよ」



…あームカつく。

なんかよくわかんねぇけど、ムカつく。


なに照れてんだよ健。

なに無邪気に笑ってんだよ夢。