「で、この場合はing形になるから―…」
「あ~なるほど」
新里君はとても親切で、わかりやすい。
もうこのまま教師にでもなれるんじゃない?ってくらい。
麻衣は天野君に勉強を教えてもらってた。
「じゃあ次はコレね―…」
新里君が説明してくれてる間、私はチラリと天野君を見てみた。
「井戸、意外と勉強できるじゃん」
「うるさいなー。以外は余計だろっ」
案外楽しそうにしてる。
その光景を見て、少しだけ寂しくなった。
「…じゃあ藤原さん、この問題解ける?」
えっ…!
やばい。
全然聞いてなかった。
「えーっと…。」
とりあえず勘でAと書いた。
「ん?A?」
―グイッ
えっ
「よく見て、これは過去形だから…」
ち、ちかい!
新里君が私の教科書を覗き込むような形になった。
私と新里君の顔の近さはほんの数センチ…

