私の最低な元カレ



「夢…」


唯子が私の背中に手を添えて、なにか言おうとしたとき。



「何言ってんの!」


愛ちゃんが勢いよく席から立ち、私に顔を近づける。



え、え、え!?




「なぁんもわかってねぇね!」


あ、愛ちゃん?

どうしたの急に…。



「なんでそんげな事言うの?ウチでもわかるのに!」


「わかるって…なにが?」


愛ちゃんが何を言いたいのかサッパリわからない。

そしてどうしてこんなに大声を出してるのかも。



「はぁ~…。これが原因か」


脱力するように、愛ちゃんはまた席に座った。


原因?



「あの、愛ちゃん。なにか知ってるの?」


私の代わりに唯子がそう聞くと、愛ちゃんはコクリとうなずいた。



「こげんな事いう立場じゃなかけんど…」


“ちゃんとわかってほしい”


そういって、愛ちゃんは話をし始めた。