「いや…。俺が逃げただけなんだ。怖いから。藤原が俺から離れて行くのが」 ウソでしょ? 天野君…。 そんなに私を想ってくれてたの? 「それなら、俺からフッて、嫌われてやろうと思ったんだ。ソッチの方が、楽だと思ってた。 だから、また“あの先輩”と付き合った。転校先でも、色んな子たちと付き合った」 私に、天野君の顔は見えない。 だって、私たちの間にはカーテンがある。 「お前が一番嫌いな人間になりたかったんだ。」 「…………」 そうだね。 天野君は 私にとって、一番最低な人間になっていた。