北住先輩のおかげか、私にはさらに気合いが入った。 「よし!三年生のためにも、最高に体育祭にしよ…っ」 そう言って、ガッツポーズを一発決めて、教室へと戻ろうとした時。 「ゆーめーちゃんっ」 あま~い声が私を止めた。 「ちょっと時間良い~?」 振り向くと、小柄な、可愛い顔をした子が立っていた。 “夢ちゃん” 私……この子と仲良かったっけ? 「あのー…」 私が困った顔をしてると、その子はニッコリ笑って、自己紹介をした。 「私――― 野原智隼ですっ」