「別に……聞いてほしいって言うか…」
「うんうん。なんでも聞くよ?まだあるの?」
「あっ」
私の思い出した声に、唯子の手が止まる。
「そうだ!まだ言ってないことあった…」
肝心な事を話さないでどうすんの!夢っ!
「なになにー?」
一度驚いた唯子だったけど、また呑気にタラコスパを食べ始める。
「今度の日曜日、その新里君のサッカーの試合観に行く事になったの」
「へ…?」
またもや、唯子の手が止まる。
「なんで?」
「誘われた」
「……本当に行くの?」
少し、心配そうに言った唯子を見て、
唯子も昔を思い出したんだって悟った。
「うん、…行くよ私」

