「なぁにぃ?」
「出るぞ」
「なんでぇ?入ろうよ!」
「良いから出るぞ」
私はいっちゃんに、手を引っ張られて
ホテルを出た。
あ~あ~…
一回出ちゃったら、また入るの、
なんか気まずくなっちゃうじゃん~!
まあ、横にも違うホテルがあるから――……
「智隼、どうした?」
私の肩に手を置いて、
真剣な顔で話すいっちゃん。
いつもの、いっちゃんじゃない~…。
「どうした?って私が聞きたいよ~う!」
「智隼……俺は簡単にああいう事はしない」
「簡単じゃないよ!私はぁ――……」
「帰ろう。送ってく」
どうして…。
私はいっちゃんが好きなのに…。

