ピンポーン


私は焦る気持ちを抑えて、雪那家のインターホンを押した。

このたかが数十秒、数分の間に、どれだけ冷や汗が体を伝ったか分からない程に、私の心は緊迫していた。



「はい」


「輝!」



ようやく扉が開き、輝が顔を出した。
私は輝にすがりつくように服の裾を引っ張った。



「ど、どうしたんだよ」


「天使くんは!?」


「アイツなら俺の部屋だけど‥」



私は輝を押し退け、雪那家に上がった。
記憶を辿りながら、輝の部屋に向かう。