ガシャッと柵に身を委ねた夾。 「良いのか? 敵がいるのに始末しなくて」 「言っただろう。 貴様には聞かねばならない事が山ほどあると」 ふわりと涼しい風が吹く。 髪が靡き、視界を防ぐ。 「‥‥‥‥‥っ!?」 その一瞬で俺の目の前には夾がいた。 馬鹿な‥‥ 奴とは5m弱離れていた。 それを、あの一瞬で? 「まだまだだな、悠黎。 反応が遅ぇよ。 そんなんじゃ、瞬殺だぜ?」 とん、と俺の額を小突く。