阿久摩くんの声がワントーン落ちた。

何だろう‥
昔の恋人に未練が?
そんな馬鹿な。



「兄弟とかは?」


「上に姉が一人、双子の妹と、下に弟が一人だよ」



そんなたわいのない事を、キャーキャー言いながら喋っているのを聞いていると、妙に耳障りだ。


私は眉間にシワを寄せた。


何で阿久摩くんは何食わぬ顔で、今も普通に学校にいるのだろう?

何で私達に自分の正体を教えたんだろう?


それによるメリットは?


分からない‥

私は頭を抱える事しか出来なかった。