俺は知香の頭に手を置いた。
手から伝わった感じは、少しだけ震えていた。

それが、恐怖からか、それとも怒りからか、俺には分からなかった。



「それと、夾には気をつけろ。
アイツは魔族の中でも階級は第1級の力を持つ、危険で恐ろしい奴だからな。

それに、今回奴が一人で来たとは思えん。
こちらからも応援は呼ぶが、刺客もいるかもしれない。
十分に気をつけろ」


「‥あぁ」



阿久摩‥お前とは、良い友達になれると思ったのにな。

俺は少しの悲しみを胸に、安宮家で就寝する事にした。