「本当にあるのかも分からない物の為に、私は殺されるのかも知れないの? じゃあ、無かったら私は犬死に? ふざけんじゃないわよ‥っ」 知香の声が怒りに震えている。 目に涙が溜まっているのを、必死に堪えていた。 「案ずるな。 俺達、神族はお前を死なせはしない」 悠黎がそっと知香に近付き、目の前に立つ。 「お前は俺が守る」 「天使くん‥」 聡明な瞳で知香を見つめる。 その言葉には嘘が見当たらなかった。 「俺だってついてるから」