「分かった、話そう。
今は落ち着け」



天使くんが制止すると、輝は大人しく手を離した。



「一先ず、ここを出よう。
話は‥まぁ、歩きながらで良いだろう」



外も暗いしな、と天使くんが言った。
ふと辺りを見回すと、夕暮れ色に染まっていた教室が、最早真っ暗になっていた。
外だって、もう人がおらず、静まり返っている。



「そうだな‥」


「だったら私の家に来なよ。
お茶ぐらい出すし」



こうして、私の提案により、私たちは安宮家に向かった。