「まぁ、その小さい頭じゃ、理解なんて出来ねぇか‥」 肩をすくめた阿久摩くんの背中に、幻かと思うぐらいの綺麗な漆黒の翼が生えていた。 空に舞う黒い羽根。 その合間から見える翡翠色の瞳と、八重歯が、私の恐怖を更に掻き立てた。 「な、何なの‥っ!? その、翼‥‥」 「んなもんはどうでも良い。 お前は、俺にその第三の眼を渡してくれればな」 舞っていた羽根を一枚取り、阿久摩くんはその羽根を私に向けて飛ばした。 私は走馬灯を駆け巡らせながら、その羽根を見る事しか出来なかった。